当直における中枢神経系疾患のトリアージ例!
慢性硬膜下血種は多い!
救急受診の訴えは多様:「箸を落とす」「茶碗を落とす」「呂律が回りにくい」・・・
丁寧に問診すると「頭をぶつけた」「転んで頭を打った」など、軽い例を含め、頭部打撲の病歴が得られる。→例外★
頭部CT検査で「当たり!」
後期高齢者は、ほぼ大脳委縮がある。
いわゆる打ち所が悪く、頭蓋骨と脳表面の間の細静脈が切れて、動脈硬化の影響もあり、ジワジワと出血が続きます。
頭蓋骨と大脳の間の隙間に、血液成分が溜まり、大脳を圧迫するほどになって、病状が出るのです。
頭部打撲から約3週間後の救急受診で「慢性硬膜下血種」を診断したのが最長例。
★例外:自宅内で、起立困難に至り、来院時に微熱を呈していた後期高齢女性。会話(・構音)に支障がなく、や神経学的に明らかな異状所見がなく、頭部打撲なし。
後期高齢者は感染症で、運動機能など、種々の不調を呈するのは常態。
体温ほか、経過観察入院とした。深夜帯に平熱となったことで、頭部CT検査が必須と診た。
結果、「慢性硬膜下出血血種」で、脳神経外科を有する基幹病院に(病状の空きを待って)転院となった。2023年晩秋
※ 頭部打撲の既往がなく、「慢性硬膜下血種」を診断したのは初体験でした。
転じて、
後期高齢者の方が、頭部打撲で救急受診された際は、ご家族に、「慢性硬膜下血種」の可能性についてお話しします。
もしも、3週間以内に、「何か変・・・」と感じた際は、「慢性硬膜下血腫」を念頭に、受診してくださいと。